夢の中へ

夜の始発駅

列車は深海魚のように
ホームに潜んでいた

夜の底で
静かに発車の時を待っている

午後11時45分
ベルが鳴る

『ピィ』と短い汽笛を発して
夢の中へゆっくりと動き出した